AIエージェント|意味・種類・選び方の基礎知識

AIエージェントの仕組みを表す概念図 AI・生成AI

「AI エージェント」という言葉は、製品によって指すものが違います。人の指示を受けて作業を代行するものを指すこともあれば、条件に応じて自動で処理を動かす仕組みを指すこともあります。定義が定まらないまま製品を比べると、同じ言葉で違うものを比較してしまいます。

この記事は、AI エージェントというカテゴリの入口を整理する記事です。特定の製品を推すことは目的ではありません。公式ページで2026年9月時点に確認できた範囲だけを使い、実際に提供されている形から考え方を整理します。

AIエージェントとは

現時点で「AI エージェント」に業界共通の定義があるわけではありません。本記事では、公式ページで確認できた製品の提供形態から、実務上の区別として次の2点を押さえます。

1. 指示を受けて作業を代行する形

人が目的を伝え、その達成に必要な処理をソフトウェア側が組み立てて実行する形です。Microsoft Copilot は公式に、Agent Builder と Copilot Studio によるエージェント作成、および外部データソース用の Copilot コネクタを機能として挙げています(2026年9月時点、出典: Microsoft 365 Copilot 公式価格)。社内のデータを参照する「自分たちのエージェント」を作る、という考え方です。

2. 人の操作を前提とせずに処理を動かす形

あらかじめ決めた条件と手順に従って処理を実行する形です。Power Automate は公式に、クラウドフロー(DPA)と、有人・無人のデスクトップフロー(RPA)を区別して挙げています(2026年9月時点、出典: Power Automate 公式価格)。「無人」で動かせるかどうかが、この形の分かれ目です。

この2つは対立するものではなく、組み合わせて使われます。ただし課金の単位も検討の進め方も異なるため、自社がどちらを必要としているかを先に見極める必要があります。

種類・分類

公式ページで確認できた提供形態から整理すると、次の3つに分けられます。

A. 対話型アシスタントとして使う

ChatGPT は公式に、文章の作成・要約・翻訳などの日常業務の支援と、社内情報を活用するワークスペースとしての利用(Business・Enterprise)を主な用途として挙げています(2026年9月時点)。人が対話しながら進める形が中心です。

B. 既存の業務アプリの中でエージェントを作る

Microsoft Copilot は、Word / Excel / PowerPoint / Outlook / Teams の中での利用に加えて、Agent Builder と Copilot Studio によるエージェント作成を公式に挙げています。業務アプリの中で完結させる形です。

C. 決めた手順を自動で実行する

Power Automate は、クラウドフローと、有人・無人のデスクトップフローを公式に挙げています。人が見ていない時間帯でも処理を進めたい場合は、この形が対象になります。

「エージェント」と「自動化」の境目

A と B は人の意図を受け取る部分に比重があり、C は決められた手順を同じとおりに繰り返す部分に比重があります。どちらを「エージェント」と呼ぶかは製品や文脈によって異なるため、言葉ではなく人が毎回判断する必要があるかどうかで区別すると実務では混乱しません。

選ぶ観点

公式ページで確認できる範囲で比較できる観点は、次の4つです。

1. 課金の単位

単位が違うと、増えたときの費用の伸び方が変わります。公式の記載は次のとおりです(2026年9月時点)。

製品 課金の単位 公開されている金額
ChatGPT ユーザー単位(法人は2ユーザーから) Business 標準シート ¥3,050/月(年額課金)、Enterprise はカスタム価格
Microsoft Copilot ユーザー単位 Microsoft 365 Copilot Business ¥3,148/ユーザー/月相当(年払い)
Power Automate ユーザー単位/ボット単位 Premium ¥2,248/ユーザー/月、Process ¥22,488/ボット/月

出典: 各社公式ページ(ChatGPT / Microsoft 365 Copilot / Power Automate、いずれも2026年9月時点)

無人で動かす処理が増える見込みがあるなら、ボット単位の課金がある Power Automate のような構成では、人数ではなく処理の本数が費用を左右します。

2. 既存の契約が前提になるか

Microsoft 365 Copilot Business は、公式に「購入には対象となる Microsoft 365 プランのライセンスが別途必要」「最大300ユーザーまで」と記載されています。単体で契約できるかどうかは、見積もりの前提として先に確認すべき点です。

3. 無料で試せる範囲

公式の記載では、ChatGPT に無料版(¥0/月)があります。Power Automate には30日間の無料試用版の案内があります。Microsoft 365 Copilot には1か月の無料試用期間の記載があり、終了後は自動的に有料に切り替わるとされています(2026年9月時点)。

4. 管理とデータの扱い

組織で使う場合、誰がアクセスできるか、入力したデータがどう扱われるかが要件になります。公式に具体的な項目が挙げられているのは ChatGPT の Enterprise で、SCIM、EKM、ドメイン認証、ロールベースのアクセス制御、カスタムのデータ保持ポリシー、日本を含むデータレジデンシーが記載されています(2026年9月時点)。

代表的な選択肢

本記事で公式情報を確認した3つの位置づけを整理します。

ChatGPT

対話型のアシスタントとして使う形が中心です。法人向けは Business と Enterprise があり、いずれも2ユーザーから。Business の標準シートは ¥3,050/月(年額課金)/¥3,850/月(月額課金)、Enterprise はカスタム価格です。管理・データ保持の要件が明確な場合は、Enterprise に挙げられている項目が判断材料になります(2026年9月時点)。

Microsoft Copilot

業務アプリの中でエージェントを作る形です。Agent Builder と Copilot Studio が公式に挙げられています。Microsoft 365 Copilot Business は ¥3,148/ユーザー/月相当(年払い)で、2026年7月1日から12月31日までのキャンペーン価格 ¥2,698 の表示があります(年間契約が必要、初年度のみ、対象の Microsoft 365 プランを利用している既存顧客のみ、最大300ユーザー)。すでに Microsoft 365 を使っている環境が前提になります(2026年9月時点)。

Power Automate

決めた手順を自動で実行する形です。クラウドフロー(DPA)と有人・無人のデスクトップフロー(RPA)が区別されており、無人実行はボット単位の課金です。Premium が ¥2,248/ユーザー/月、Process が ¥22,488/ボット/月、Hosted Process が ¥32,233/ボット/月と記載されています(2026年9月時点)。

よくある質問

Q. AI エージェントと RPA は何が違いますか。
A. 製品によって言葉の使い方が異なるため、一律の線引きはできません。実務上は「人が毎回判断する必要があるか」で区別すると整理しやすくなります。本記事では、公式に記載されている提供形態のみを比較しています。

Q. 無料で試せますか。
A. ChatGPT には無料版(¥0/月)があります。Power Automate には30日間の無料試用版、Microsoft 365 Copilot には1か月の無料試用期間の記載があります。Copilot は試用期間終了後に自動的に有料へ切り替わると記載されています(2026年9月時点)。

Q. どれから検討すればよいですか。
A. 人が対話しながら進めたいのか、無人で処理を動かしたいのかを先に決めると、課金単位が合う製品が絞られます。本記事ではどれが優れているかの判断は行いません。

Q. 自社データを参照させられますか。
A. Microsoft Copilot には外部データソース用の Copilot コネクタが、ChatGPT の Business / Enterprise には社内情報を活用するワークスペースという用途が公式に挙げられています。実際に何をどこまで参照できるかは、各社の公式情報でご確認ください(2026年9月時点)。

まとめ

AI エージェントを検討するときに、最初に決めておくとよい点は次のとおりです。

  • 人が毎回判断するか: 対話型(ChatGPT)か、手順を自動実行する形(Power Automate)か
  • どこで動かすか: 独立したアシスタントか、既存の業務アプリの中か(Microsoft Copilot)
  • 課金の単位: ユーザー単位か、ボット単位か。増えるのは人か処理の本数か
  • 既存契約の前提: Microsoft 365 Copilot Business は対象の Microsoft 365 ライセンスが別途必要

言葉の定義を突き詰めるより、この4点を自社の状況に当てはめるほうが、候補を絞り込みやすくなります。

金額・機能はいずれも2026年9月時点に各社公式ページで確認した内容です。最新の条件は各社の公式サイトでご確認ください。

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